優しさについて | スティルマイン

優しさについて

風邪を引いて、寝込んでいます。夏風邪だからでしょうか、とても辛いです。まさしく「咳をしても一人」、看てくれるひともおらず、独りで寝込んでいると、辛さは倍増するものです。


昨晩、飲みの約束をしていた後輩に、「風邪を引いて寝込んでいる、俺キャンセルな」とメールを送りましたところ、「了解しました!^□^」と返信が来、しばらくして「風邪には野菜をたっぷり入れたリゾットが良いです! あと良質なタンパクを…、ビタミンCは…、」といった、「ボクのオススメ栄養満点レシピ」を山ほど送ってきやがりました。

微笑ましくもある、この種の無邪気な善意は、普段の私でしたら「サンキュー! お前も夏風邪、気をつけるんだゾ!^□^」てなもんで許容することも易いのでありますが、昨晩はあまりの辛さ故、(恥ずかしながら!)彼に殺意しか芽生えず、「阿呆か貴様! それらの素晴らしいお食事をどちら様が作るのだ、おう?」と感情任せに返信しようと思うに至ったのでありましたが、しかしながらこれは「後輩の優しさに対してそれは酷かろう」と諭される類の感情であることも自覚しておりますため、ぐっと一息に殺意を飲み込み、何も了解せぬまま「了解!^□^」と返すことのできた、大人な私でございました。


そして本日、丸一日寝込めども快方に向かわず、横になり、咳き込みながらただただ「CCレモン」を飲み続ける私に、先程後輩は、「チョーキレイです!この素晴らしい景色を見て早く元気になってください!」と、デート中の写メを送ってきやがりました。

微笑ましくもある、この種の無邪気な善意に対し、私は今、布団の中独りアイスノンを抱きながら、「やはりどうしてくれよう」と思案しているところなのでございます。