ママ4 | スティルマイン

ママ4

最近私は、週末に予定を入れることを躊躇っている。いつ何時唐突に訪れるやもしれぬ運命的な出会い(スペシャルナイトウィズスペシャルガール(ズ))に、備えておかなければならないのだ。世の女性たちよ、どうか許して欲しい。

その結果、近所の小料理屋で一人寂しく焼酎を飲み、ママと二人でせっせと千羽鶴を折る週末を送っている私だ。折鶴なら任せて欲しい。


協力的な私に対し、ママはメタレヴェルから「そんなんだから駄目なのよー」と説教してくる。あんまりだと思う。
微笑むママに反論できぬまま、「私は何故こうなのだろう、来たくないのに」と焼酎が進む。そんなオブジェクトレヴェルな週末だ。


思えば子どもの頃から「遊ぶ約束」が苦手だった。
「遊ぶ約束」に届く日が楽しみで待ち切れなくなる。その日までに起きるであろう事柄の味が落ちてしまう。そしてその「遊ぶ約束」が終わってしまうと夏至を過ぎた気分になり、ぽつねんと「楽しかったあのとき」を反芻し「おえっ」となるのである。


時間と「今の自分」が有限だからこそ遊ぶ約束は大事になる。予定と予定に挟まれた時間はただの隙間なのだろう。
しかし私はその隙間にこそ何かが隠されていると思ってしまう。結果、隙間だらけな日常だと言ってよい(言わなくてもよい)。


ママは月曜日と火曜日(定休日)以外、毎日店に居る。ママは隙間だろうがなんだろうが会うことができる。
相変わらず店には通いたくない。そろそろゴキブリの季節も到来する。今年の対策はどうしようと頭を痛めている隙間だ。