嘘つき | スティルマイン

嘘つき

親戚の坊主(2歳位)は、どうやら嘘つきなようだ。彼の母親によると、注目される快感を学習したのだそうな。

先日私が一緒に居るときも彼は「イテ、イテ」とやっていた。自分の後ろを指差し「あの段差のせいで私は」と周りの大人に訴えている。
私は素直に驚き「ぶつかったかなんかしたようだ」と母親に報告したのだが、彼女は簡単な確認後に「またアンタ! 嘘つかないの!」と一喝する。すると彼はギャーと泣き、「ごめんなさい」のポーズをし、母親にすがりつく。

この一連のコントを見た私は酷く驚いた。
――あんな小さいのが、嘘をつくのか。人間は嘘つきな訳だ。


その昔、女性に年齢を偽られたことがある。何回か会った後、「ごめんね」と中々ご立派な年上であることを告白されたが、その時の私は「年齢なんてダズンマタ! ピース!」てなもんであまり気にしなかった(ストライクゾーンは広い。どうだ)。
しかしただ、「嘘をつかれた」という距離感だけが残った。


嘘は距離を生むのだと思う。人との距離感に自信を持ちきれない私にとって、一度生まれてしまった距離はなかなかどうにも消し去れない。

だから私は、ストライクゾーンが広いながらも「嘘をつかない女性がタイプです」と常日頃から公言している。該当する方がいたらどうか元気良く手を挙げて欲しいと思う。金麦のお姉さんが演じている「武士の一分」の奥さんみたいな方に手を挙げて欲しいと思う。