モラトリアムⅡ | スティルマイン

モラトリアムⅡ

付き合いの無くなった知人をテレビや雑誌で見かけたりする。彼らは大概「アーティスト」的ニュアンスで出てくる。ジャンルは様々だ。

――ほう、アーティストか。アーティストて。アーティストよ、がんばっとるな。僕は悔しくなんかないぞ。精進したまえ。

最近もまたテレビを通した唐突な再会をし、こいつの場合は本当に驚いた。「な、なるほど、あれがこうして、こうなったのか!」といった感じだ――こいつもやはりアーティストか。


こんな感じでかつてつるんでいた人間の曲も耳にする昨今だ。求めずとも勝手に私の耳に飛び込んでくる。
今の私は夢の中でスマップになるくらいしかできない。そんなマインという名を暖めている昨今である。

しかしながら、暖めながらも「あいつらがアーティスってる中マインは何してんだ?」と問うたりする。「そもそもマインって何だっけ?(アイポッドは?)」とも思ったりする。思い出すことすらも減ってきているが、たまにスティルマインが強烈に懐かしくなる。


先日入った居酒屋では隣の客がブログやらアフィリエイトやらについて熱く語らっていた。

――ほう、ブログか。私も持っているぞ。「スティルマイン」ってゆうんだ。まだ生きてるぞ。

友人と語らいながらも私の耳はダンボ。隣の客の語らうブログ論に耳を傾けていた。
「アクセスを伸ばすにはヤフー登録とか…」なんて言ってる。ふふ。
「俺のブログはこないだ1日2千人来たけど紹介している商品買ったのは1人だったよ」なんて言ってる。

――私のブログのメインの客は、エロスな業者だ。



「なんとかしなければ」という切迫感は年齢に関係なくぶり返すものだと気付かされてしまった。最近のことだ。
眠れぬまま自分の現在に混乱し、夜中に(自分の)バイクで走り出した。飛行機的なものを志向し、とにかく羽田を目指した。「こりゃ結構かかるな」と近所のガソリンスタンドで我に返り、すぐ引き返した。それでも翌日の仕事に響いた。そんな年齢だ。