to be happy | スティルマイン

to be happy

通勤途中、駅までの道のり、ほぼ同じ場所で自転車に乗る女性とすれ違う。ハタチそこそこだろうか。OL一年生といった感じだ。

彼女の存在を意識したのは一ヶ月前くらいだろうか。すれ違う時、「あれ、このコどこかで会ったっけ」と思いきやなんのことはない、毎朝見かけているのでなんとなく顔を覚えてしまったのだ。

それ以来、ほぼ毎朝私は彼女を認識している。よく見るとなかなか可愛らしい。初々しい、純情な感じだ。こんなこと書いていると「本当におっさんなのだなあ」となかなか感慨深いものだ。

そのコとたまに目が合う。きっと向こうも私の存在を認識しているだろう。


「勇気を出して初めての告白」をご存知か。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の一コーナー。中高生が初めて好きな相手に告白する瞬間をテレビで流すという、出演者・製作スタッフ・視聴者その全てを悪趣味に陥れるというなんとも刺激的なコーナーだ。「悪趣味だなあ」とドキドキしながら見たもんだ。

初々しい、純粋そうな彼女の存在を認識してしまってから、このコーナーのテーマソングだったボビー・マクファーリンの「ドント・ウォーリー、ビー・ハッピー」が駅までのテーマソングになっているのである。

  ウー、ウーウー、ウウー、ウーウウーウウーウウー♪



今朝も告白されなかった。ドント・ウォーリー。

いつか私の魅力に気付く日が来ると思う。その日まで口笛で「ドント・ウォーリー、ビー・ハッピー」を吹き、空を仰ぎながら駅まで歩いていこうと思う。そしてついに告白されたら「ゴメン!」とウィンクしながら舌を出し、可愛く断ろうと思う。

隣の職場の女性とすれ違ってもこの曲が流れる。思えば学生時代から流れていたような気がする。きっと治らない病気なのだと思う。