人間とマイン | スティルマイン

人間とマイン

私は人間を愛し、憎んでいる。誰だってそうじゃないだろうか。


特に「人間ってなに」や「私の存在ってなに」と考え始めるとどうしてもネガティブな面が見えてくる。それは人間が「矛盾した存在」といった甘やかされたニュアンスを持っているからじゃないかと考えている。


――だって、人間だもの。



尊いもんでも誇っていいもんでもない、そもそも人間なんて混乱したサルだろう。


ある日一匹のサルが木から落ち頭を打って気絶、目が覚めたら人間だった。打ち所が悪かったせいで記憶喪失、本能が歪み、思考も複雑化の大混乱、大迷惑。そのお陰で「急がば回れ」を覚えたがいつも遠回りしてばかり、エモノまで真っ直ぐに突っ走ることを忘れたサルだ。人間なんてその程度のもんに決まってる。


私もまた人間であり、混乱と矛盾に侵されたサルだ。合理的、論理的、本能的なものを尊ぶ一方で無駄な思考、婉曲された回りくどい表現を愛する。

だから人間を愛し、憎む。だって、人間だもの。畜生。



人間にまつわるネガティブな経験は忘れないもんだ。忘れたくても。

分かち合えた一瞬の喜びや貴重な瞬間こそ容易に忘れ去られる。忘れたくなくても。


そう思い、私はまず私の為に愛すべきサンプルたちをここに書き留めておく。

人間を憎みそうになった時立ち戻れる場所があったら、と思った。

                                                  マイン


付記

言い過ぎたと思う。